歯科医院の感染対策はわかりにくい

消毒・滅菌

歯科医院で、感染対策をしっかり行っているかどうかは、患者さんからはとても判りづらいです。患者さんの視点では、グローブを変えているかどうか、器具が袋に入っているかどうかくらいはわかるかもしれません。しかし、グローブを適切な頻度で変えているか、器具は袋に入っていても適切に滅菌されているかということまでは、調べようがありません。

当たり前ですが、滅菌作業やチェア周りの消毒作業を患者さんの目の前で行うことはありません。器具を滅菌せずに袋に入れることは出来るし、チェア周りも単に雑巾で拭いているだけかもしれません。基本的な消毒滅菌作業を疎かにしているのに、患者さんにアピールしやすい部分のみ清潔に見えるようにしているということは可能です。

インターネットで調べると、「清潔にしている歯科医院を見分けるテクニック」が書かれていますが、歯科医師の視点から見ると、あてには出来ないようなことばかりです。ハンドピースがチェアに差しっぱなしではなければよいと良いと書かれていても、滅菌していなくても外して裏に一旦隠せます。外来環の取得は道具を買うお金があれば誰でも出来ます。ホームページで色々滅菌に関する機械が置いてあると書かれていても、実際に設置されているかも判らないし、設置されていても使われているかどうかわかりません。使われていても、適切に使われていない可能性もあります。

結局、患者さんが歯科医院の滅菌に関して知ろうと思ったら、歯科医師や歯科医院のスタッフのモラルや知識によることなので、実際に話をして確認するしかないと思います。

逆に、歯科医院の立場からすると、感染対策はきっちり行っても患者さんにアピールしづらく、手間暇もコストもかかるのにそれ自体が売上に関わらないので、実行が難しいです。また、アピールするだけなら、やっているふりが簡単に出来てしまいます。

感染対策をしっかり行っている歯科医院は、私から見ても本当に仕事にプライドを持たれているだなと思います。

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