大阪市都島区の大阪精密入れ歯治療室。インプラントの嘘について。

インプラントから入れ歯

インプラントの嘘

インプラントについての誤った説について、説明いたします。

インプラント関連の誇大広告と嘘

歯科保険診療は、国の医療費抑制政策のあおりを大きく受けており、諸外国と比較して大幅な低価格となっております。材料費すらなぜか歯科医院持ちになっているほどの低診療報酬であり、保険診療で利益をしっかり確保することは難しいです。そのため、どうしても保険診療に項目がなく、基本的に全てが自由診療であるインプラント治療で利益を出しにいくという経営の構造になってしまいます。

どこの歯科医院でもインプラント治療の患者さんが欲しいため、奪い合いは熾烈であり、どうしてもインプラント治療の良い所ばかり強調してしまい、時には誇大広告レベルのことを宣伝されてしまっているのが現状です。

当院では、インプラント治療に関して検証をした結果、インプラント治療を行っていません。インプラントに関するセミナーは沢山受講し、認定証も持っておりますが、歯科医師になってから、埋入したこともありません。インプラントの手技自体は、そんなに難しくありません。当院で行っている根尖切除術・歯の再植・歯の移植・歯周再生療法の方が余程繊細で難しい処置です。

もし広告で言われるように本当に良いものなら、当院でも採用しております。誇大広告の嘘について、ここでは解説していこうと思います。

インプラントは一生ものという嘘(炎症が起こる)

ご自身の歯ですら一生持たないのに、体に異物を入れて一生持つわけがないのはなんとなくわかると思います。インプラントは、体内に異物を入れるので、その部分に異物に対する炎症が100%起こります。炎症が自覚・他覚出来ないレベルであれば良いのですが、それが自覚(腫れ・痛み・ぐらつきなど)・他覚(例えば歯周ポケットが出来るなど)レベルになるとインプラント周囲炎という病気になります。インプラント周囲炎は、インプラントの表面に細菌感染が起こり骨が壊される病気です。上記のような症状が出て、症状に我慢できずインプラントを撤去するか、最終的にはインプラントがぐらぐらになって取れてしまいます。

インプラント周囲炎を起こす確率は、3年後に3割以上と結構高い確率です。当然、複数本入れると確率はどんどん上がってしまいます。ちなみに、当院に来られる患者さんの他院埋入インプラントの恐らく9割ぐらいがインプラント周囲炎を起こしており、初診時で歯周ポケットが6㎜以上であることが多いです。

インプラント周囲炎は治療困難

インプラントは骨と引っ付きやすくするために、ネジの表面が非常に細かいざらざら面(例えるならヤスリみたいな状態)になっています。これは、組織と噛みあう表面積が増えるという意味では、良いことです。しかし、一旦ネジのざらざら面に細菌感染を起こすと、ざらざらの中に細菌が食い込んでしまい、後でその細菌を取り除くのが困難な状態になってしまいます。

要するに、インプラントの構造は最初に骨と引っ付くまでは良いが、長持ちさせづらくなっています。最初良くて後は悪いという一生ものとは到底言えない矛盾した構造になっています。

インプラント周囲炎は治療困難ということです。いくつかの治療法が試みられていますが、確立された治療法は現在ありません

インプラント周囲炎は予防困難(歯磨き・歯石取り)

インプラントは、所詮は人工物であり、天然の歯より弱いです。今まで、天然の歯ですらむし歯や歯周病が進行してしまって、抜歯になっているという経緯があるわけです。その状態でインプラントを入れても、やはり天然の歯と同様かそれ以上にどんどん悪くなっていってしまうというのが普通の理屈です。

そもそも、歯周病もむし歯も現代の医学では進行を遅らせる程度で、完全な予防は不可能です。インプラント周囲炎も同様に予防は困難です。

インプラントは一生ものという嘘(パーツ廃番)

インプラント治療はまだ未発達の治療技術であるため、どんどん進歩して新製品が出てきます。そのことは良いのですが、古い形式のインプラントはどんどん廃番になってしまいます。廃番になると、パーツが手に入らず、トラブルがあっても対処不能になってしまいます。例えば、インプラントを除去しようとしても、ドライバーなどのパーツが手に入らなければ、削り落とすしかなかったり、ブリッジタイプのインプラントからオーバーデンチャータイプに変更しようとしても、パーツがないと再利用不可になったりします。

当院の患者さんでの他院による埋入によるインプランのケースは、大体20年を越すとなると製品が入れ替わっており、メンテナンスは不能になっていることが多いです。メーカーにより、インプラント事業から撤退していることもあります。

こんな状況で、一生ものとは到底言えません。

入れ歯よりよく噛めるという嘘

ブリッジタイプインプラント・インプラントオーバーデンチャー・総入れ歯の快適性や満足度について、どれが最も優れているかは完全に個人差です。(研究された論文があります。)

また、インプラントオーバーデンチャーと総入れ歯で、栄養状態に差がないという研究もありますので、特にインプラントだからよく噛めるというわけではありません。

当然ですが、ちゃんと行われたインプラント治療・入れ歯治療はいい結果が出るし、粗悪なインプラント治療・入れ歯治療なら結果が出ないということは言えると思います。

全ての歯を抜歯したら歯周病菌がいなくなってインプラント周囲炎を起こさないの嘘

「インプラント周囲炎の原因は歯周病を起こす細菌によります。歯周病菌は、歯の硬い所に感染するため、歯を全部抜くと感染する場所がなくなり、歯周病菌はお口の中にいなくなります。そのため、全ての歯を抜いてしばらくしてからインプラントを入れると、インプラント周囲炎になりません。

以上のように、説明されている場合があります。しかし、歯周病菌は舌の表面にも感染できるため、一旦歯周病菌に感染すると、お口から歯周病菌がいなくなることはありませんし、インプラントを入れるとインプラント周囲炎を起こします。

インプラント治療を全否定しているわけではありません。

インプラントは適切に治療し、管理すれば素晴らしい治療方法のひとつだと私も思います。知識と技術のある歯科医師に巡り合えたら、とてもよいインプラント治療をしてもらえるでしょう。しかし、そういった歯科医院でのインプラント治療は、やはり高額になってしまいます。ケースによりますが、当院の精密入れ歯治療と比較しても、5倍くらいの治療費になるでしょう。金銭的に余裕のある方で元々歯周病で歯を失ったわけでなく、糖尿病などの基礎疾患がなければ、選択肢のひとつに入れてみても良いと思います。

インプラントは一生ものではありません。治療終了後、3か月でインプラント周囲炎で激痛が出たいうケースも診たことがあります。一度インプラント治療を受けると、ずっと自由診療でメンテナンスや追加の処置をし続けないといけないので、デンタルローンを組んだり、金銭的に無理してインプラント治療を受けるのはお勧め出来ません。

どちらかといえば、歯科医院の経営としてインプラント治療ありきになってしまい、過当な患者さんの奪い合いが起こっていることが非常に大きな問題だと考えています。

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