大阪市都島区の大阪精密入れ歯治療室。入れ歯の調整について。

入れ歯の調整

入れ歯の調整

入れ歯が完成してからの調整について説明いたします。

入れ歯は完成してからの調整が非常に大事です。

入れ歯をものとして考えていると、良い入れ歯は完成してすぐに何でも噛めて、違和感もなく使えると思われるかもしれません。もちろん、精度の高い入れ歯を作っていけば、そういったケースも多々ありますが、どこの歯科医院で入れ歯を作っても中々あわないという所謂難症例の方は、そう簡単にいかないこともあります。

そもそも医学的におかしな設計の入れ歯は問題外ですが、どんなに精密に入れ歯を作ったとしても、プラスチックの硬化や金属パーツの鋳造の精度には限界があります。硬い石膏模型上で作ったものが、柔らかい歯ぐきの上に完全にフィットするということは絶対にありません。入れ歯には誤差がつきものです。

そのため、完成してからその誤差を改善するための調整が絶対に必要であり、快適な入れ歯を作り上げるためには非常に大事です。

入れ歯の調整は、以下のような検査結果を元に行います。

入れ歯の調整は、歯ぐきに当たって痛くなった場所を単純に削れば良いという簡単な話ではありません。可能な限り検査を行って、入れ歯の不適合の原因を客観的に観察することで調整することがとても大事になってきます。当院では、例えば以下のような方法により、入れ歯の検査を行って調整していきます。

  • 咬合検査
  • 圧力検査
  • 適合検査
  • 動的印象法

咬合検査

入れ歯の歯と歯が当たるかみ合わせ部分を調べる検査です。咬合紙と呼ばれる検査の紙を色々は方法で噛んでいただき、入れ歯にインクが付く場所を確認して、かみ合わせを検査します。例えば、右の歯の方が左の歯より強く当たっていることが分かれば、かみ合わせのバランスを整えることで症状が改善される可能性があります。

お口の中の感覚は、髪の毛一本でも感じられるくらい非常に繊細です。当院では、極薄の16マイクロメートルの厚みの咬合紙を使用して、精密にかみ合わせを調整していきます。

圧力検査

入れ歯のピンクの部分(床)の内面が歯ぐきにどれくらいの強さで当たっているかを調べる検査です。入れ歯の床内面に白いペースト状の検査材を塗り、歯ぐきとの当たりを調べます。強く当たっている所は、検査材が抜けますので、それを指標に調整します。普通に噛んでもらったとき、ものを噛んでいるときなど、色々な条件で検査をし、調整を進めていきます。 咬合検査と併用して総合的に判断していきます。

適合検査

入れ歯の床の部分と歯ぐきとの適合性を検査します。この材料は、どろどろの材料が数分して固まりますので、材料の厚みがわかります。厚みにより、入れ歯の床と歯ぐきの適合性を見てきます。また、粘膜の動きも場合によっては検査できますので、総入れ歯の吸着を向上させる際にも使用します。

動的印象法

ティシュコンディショナー入れ歯の内面に柔らかい変形する材料を張り付けて、入れ歯を日常使用するうえでの実際の歯ぐきの動きを記録する方法です。痛みの緩和・吸着の上昇など、様々な状況で使用します。

これらの検査には、歯科医師の習熟が必要です。

入れ歯の調整に使用する検査は様々ですが、全てアナログな検査であり、機械により数字で計算されるようなものではありません。また、患者さんごとに許容出来る値も変わります。例えば、歯ぐきが薄くて弱い方は、圧力に対しての許容が少なく、痛みが出やすいです。その場合、歯ぐきが分厚い方に比べて、圧力検査の結果に対してシビアになるということです。

上記調整方法は一般的なものばかりですが、アナログな部分に関しては、歯科医師の入れ歯の検査や調整に対する習熟により大きく差が出ます。 歯科医師の技術力が大きく反映されるため、非常に大事です。