大阪市都島区の大阪精密入れ歯治療室。インプラントと老後について。

インプラントから入れ歯

インプラントと老後

インプラントのメンテナンスと老後について。

老後、インプラントのメンテナンスは大変です。

若い頃はまだ良いのですが、老後、インプラントのメンテナンスは非常に大変です。そのことについて、説明していきます。

足腰が弱って通院しづらくなる。

元気なうちは良いですが、足腰が弱ってしまい、歯科医院への通院が中々難しくなることがあります。そうなれば、インプラントのメンテナンスのために必要な清掃などの処置も、自然と受けづらくなるでしょう。

若い頃は、誰しも自分の老いた後の生活なんて、想像もつかないでしょう。私も勤務医の頃に、訪問診療で介護施設(特養・老健・老人ホーム)や慢性期病棟・精神病院の隔離病棟など様々な所へ伺いました。その経験がなければ、人間はどういう経過をたどるのか、実態として知ることはありませんでした。また老後の歯科治療に関する困難さというものが多少なりともわかるようになりました。

訪問診療でのインプラント処置の難しさ。

ついには、外来での受診が難しく、訪問診療で歯科の受診を受けることになってしまうということもありえるでしょう。私も、開業前に訪問資料はかなり行いましたが、現実的に考えて、インプラントのメンテナンスは難しいでしょう。

予防処置が困難

まず、歯の清掃の機材(超音波スケーラー)がかなり大きなユニットなので、持っていけるかどうかというところが一つあります。もし持ったとしても、歯科用チェアやライトもなく、椅子に座ったまま懐中電灯で口の中を照らして診療なんてことも普通なので、外来と同様の処置のレベルは期待できません。また、体力が落ちてる患者さんが多いので、長時間の処置は難しいことが多いです。インプラント周囲炎の抑制という意味でのメンテナンスはまず無理と思った方が良いです。

トラブルを起こした時の対処が難しい

インプラント周囲炎を起こして症状が出た場合、インプラント周囲炎を抑える処置は困難なので、除去一択になります。除去したり、インプラントに関する処置をするためには、インプラントのメーカーや品番などの詳しい情報が必要です。しかし、ご自身が健常なときであっても、入っているインプラントの種類を把握していらっしゃる方は少数ですし、認知症が進んできていたりする状況で、ご本人からのインプラントの種類の確認はかなり困難と考えられます。レントゲン画像や、インプラントにあうレンチの形状などから、特定は可能なこともありますが、担当する歯科医師に知識が必要です。

もし、インプラントの種類を特定できれば、除去用のキットで取り除くことも可能かもしれません。しかし、インプラント体の破損などで、除去用のキットが使用不能の状況であれば、インプラント体を削り落としての除去は、体力的にも技術的にも恐らく困難でしょう。そのために歯科口腔外科のある病院に入院して、取り除くというわりと大事になる可能性もあります。

また、インプラントの上部構造の破損などについても、一般的な歯科治療とは対応が違うことがほとんどなので、訪問診療で対処することは困難なことが多いです。

一番の問題は、訪問診療ではインプラント埋入処置をすることは基本的にないため、インプラントに対しての知識のある歯科医師が訪問診療に携わっていないということでしょう。当然ですが、専門外になってしまいわからないものには適切な対処は出来ません。訪問診療で多いのは、いたとしても入れ歯に詳しい歯科医師が多いと考えられます。

また、インプラントの除去手術は一応健康保険適用ですが、460点(4,600円)の診療報酬です。除去用キットの使い捨てパーツが最低限15,000円、場合によっては30,000円くらいかかるので、実際に健康保険でインプラント除去を行うことは不可能です。除去手術は自由診療となり、金銭的な負担もそこそこになってきます。ここでも、健康保険点数を決めている人は、算数が出来ていません

老化と全身疾患

年を取ると、どうしても体は弱ってしまい、様々な病気にかかってしまいます。(病気というより、老化(臓器の劣化)という自然な状態なのかという議論はあります。)

高血圧・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・悪性腫瘍・その他様々な疾患により、外科処置の負担に耐えにくい体(出血しやすい・感染しやすいなど)になっていきます。その時に、インプラント除去手術は外科処置なので、中々、大げさな話になってしまったり、処置自体が不可能になってしまう可能性があります。

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