大阪市の山下歯科。症状と治療法の選択について。

入れ歯とインプラントの比較

症状と治療法の選択

症状と病状・治療との関係について。

自覚症状と病気の関係性。

自覚症状は、具体的に患者さんが感じられる不調のこととします。例えば、歯がズキズキ痛い・歯ぐきが腫れている・噛みにくい・歯がグラグラしているなどです。これら自覚症状と病気の関係性にについて説明します。

自覚症状がひどくて、病気もひどい場合

例えば、ズキズキひどい激痛が出ていて、原因がとても深いむし歯だった等です。

自覚症状はひどいが、病気はそこまでひどくない場合

例えば、歯が痛くて噛めないといった症状が出ていても、単に歯ブラシで歯ぐきを傷つけ、一時的に細菌感染を起こし、炎症による痛みが出ているだけかもしれません。この場合、歯ぐきを安静にしておけばしばらくすれば症状は収まります。

自覚症状は軽かったりなかったりするが、病気がひどい場合

例えば、歯周病のように症状の出にくい慢性炎症の状態が長期にわたって続き、レントゲン検査で調べると骨が沢山溶けてしまっていた等です。

その病気を治療するかどうかの考え方。

自覚症状の有無を踏まえた上で、患者さんがどのように治療するかどうかを決定すると良いか、参考になる考え方を書いておきます。当院は、インフォームドコンセントを徹底しており、治療を勧めることはしますが、最終的に治療(抜歯も含む)を受けるかどうかは患者さんに決定していただきます。その前提で、書いていきます。

自覚症状がある場合

治療をして症状がなくなれば、患者さんにとってメリットが確実にあるわけです。同じ歯の同じ症状に対する治療には、様々な治療があります。少なくとも、歯を残す治療と歯を抜く治療の2種類がある場合が多いです。歯の欠損に関しては、ブリッジ・入れ歯・インプラントなど、やはり複数の治療法がある場合が多いです。

それぞれの治療法には、メリット・成功した場合の結果の質(例えば、歯を抜かなくて済むとか見た目がどうなるとか)とそれに対する成功率があります。また、治療法にそれぞれデメリット(コスト含む)があります。

例えば、歯がずきずきして痛くて生活に支障があるから、治療を受けたいとします。

根管治療をするか、歯を抜くか選ばなくてはなりません。以下に、治療方法のパターンを上げてみます。(成功率や治療費は適当に書いています。)

  • 根管治療(自由診療)は、成功率70%で成功すれば歯は残って、当分過ごせそうで、治療費は30万円です。
  • 根管治療(保険診療)だと、成功率は20%ですが、治療費は2万円です。
  • 抜歯だと、症状を引かせる成功率はほぼ100%ですが、歯を失ってブリッジ・入れ歯・インプラントの治療を行わなければなりません。ブリッジ・入れ歯・インプラントの治療も成功率はそれぞれ100%ではありません。かかるコストは30~50万円(自由診療)です。
  • 抜歯して、その後、ブリッジ・入れ歯(保険診療)だと治療費は5万円ですが、銀歯や入れ歯の金具が目立ったり、違和感を我慢しなくてはいけなくなったりします。
  • 歯を抜いてしまったら元通りにならないので、根管治療してチャレンジしてみて、駄目だったら諦めて抜歯するという考え方もできます。

こんな感じで、一つの病気への対処は色々あり、いい点悪い点があります。患者さんが総合的に考えて、自分にとってどれがいいか選ぶ必要があります。

自覚症状がない場合

自覚症状がないけれども、歯科医院で検査をしたら、悪い所が見つかったという場合もあると思います。この場合、 治療を行う目的をはっきりさせておかないと、患者さんが損をしてしまう可能性が非常に高いです。

症状がなくても、病気があることが見つかったとき、その病気を治療する同機は基本的には放置すると進行して、ひどいことになる可能性があるということです。

例えば、症状はないけれども隠れたところに大きなむし歯があり、あともう少し進行すると神経に達してしまって、神経がやられてしまうという状況だったとします。治療法は、むし歯を取ってダイレクトボンディング(5万円)を行えば、むし歯の進行は一旦リセットされ、神経も高い確率で残せるということであれば、神経がやられてしまうというデメリットはかなり大きそうなので、ダイレクトボンディングのコストに見合うかどうか、判断すればよいと思います。

例えば、昔神経を取った歯の根管治療が上手くいっていなくて、レントゲンを撮ったら根っこの先に黒い影がありました。

これは、根尖病巣の可能性がありますということになったとします。どんどん進行して、歯を支える骨を溶かして最後には激痛が出る可能性もありますが、進行が緩やかで、死ぬまで症状が出ない可能性があるとします。治療の成功率は70%で治療費が30万円だとします。成功すればいいですが、失敗すれば、状況はほとんどかわらないわけで、30%の可能性で治療にかかる時間やお金を無駄にしてしまう可能性があります。ここで、万が一のことを考えて治療しても良いし、しばらく様子を見て、時々レントゲンを撮って進行すれば治療をするということも選択出来るでしょう。医師は病気を見つけてどんどん治療すれば儲かりますが、患者さんにとってのメリットとデメリットのバランスが悪くなってしまう場合もあります。この辺りは、それぞれの患者さんがご自身で考えて、見極める必要があります。

症状と治療の質

症状と治療の質の関連について。痛みなどの症状と治療の質は必ずしも関係ありません。具体例を挙げながら説明していきます。

治療の質が高く、処置後痛みが出る場合

例えば、根管治療時、根管内をしっかり洗浄消毒することで、病巣に刺激を与えることがあります。刺激による痛みが術後に出ることがあります。これは、不適切な洗浄消毒により刺激を与えなかった場合には出ない痛みなので、適切な治療をすることで出る避けようがない痛みと言えます。

治療の質が低く、処置後痛みが出る場合

これはいくらでもありますが、例えば、不適切な根管治療で根管内の細菌感染を悪化させてしまい、症状がひどくなるということは考えられます。

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