大阪市の山下歯科。歯を治療したらいつまでもつか。

入れ歯とインプラントの比較

歯を治療したらいつまでもつか

歯を治療した後の持ちについて、説明いたします。

歯を治療したらいつまでもつかという質問について。

「歯を治療したら、いつまで持ちますか?」という質問は、非常に多いです。患者さんの立場からすると、確認したい事項の上位に常に入っていることでしょう。ただ、歯科医師の立場からすると、明確に答えづらい質問でもあります。

歯科医師の立場から言えることは、「大体〇年後の成功率が〇%くらいだということは統計的(論文上)では言えます。しかし、個々のケースで実際歯が問題ない状態で残り続けているかと言われると、個人差が大きすぎてわかりません。」という答えになります。

個人差は患者さんの思っている以上に大きいです。

歯の寿命に関わる要素として、ざっと下のようなことが挙げられます。

  • 1本の歯それ自体の状態
  • むし歯菌・歯周病菌の種類や量
  • 食生活
  • 生活習慣や環境(特にストレスがたまりやすいかなど)
  • 唾液の質や量
  • 顎の筋力
  • 歯並び
  • 残っている歯の本数
  • 残っている歯の状態
  • 噛む癖(歯ぎしり・TCH)の有無
  • 治療の質
  • 歯磨きの技術

歯の病気には、細菌による要素・遺伝的な要素・環境的な要素があると言われています。これらが複雑に絡み合うのですが、歯科として介入できるのは、質の高い治療と歯磨きの指導、やって食事指導くらいまでです。

極端な話、むし歯も何もない無傷の歯でも、かむ力で激しく割ってしまい、歯を残すことが難しくなる場合もあります。歯科治療の介入の余地なく抜歯せざるを得なくなることもあり、治療の予後の判定というのは、非常に難しいことなのです。

成功率に極端にこだわり過ぎると、歯科治療は全て抜歯になってしまいます。

治療の成功率というのは、やはり100%にはなりません。歯科治療は、失った組織(歯質・歯の神経・歯ぐき・歯丸ごと等)を感染制御しながら人工物で補っていくということが基本です。失われた組織が戻ることは基本的にはありません。天然の歯や組織が戻らない以上、元通りではありません。どんなに丁寧に良い治療をしたとしても、元より確実にトラブルが多くなっている状態で、全ての治療は延命治療です。

その状態を受け入れられないということになれば、治療方針が抜歯する方向に傾いていきます。抜歯という処置は、抜いた後に抜歯処置に関する合併症(神経のマヒ・骨髄炎)を除けば、ほぼ100%成功する処置です。

一度失った歯は、どんなにお金をかけても、どんな治療をしても現代の医学では絶対に復活することはありません。私個人としては、歯の価値は非常に高いため、歯への負荷が低い治療をメインに出来るだけ歯を残すようにした方がよいと思います。個々の処置に対する成功率や予後、処置に対する負担(金銭的・時間的・体力的)なものを総合的に考えて、患者さんがそれぞれ考えていくことだと思います。

歯は失うと絶対に戻りません。

人生は一度きりです。歯の命も一度きりです。医学の限界であれば、致し方なく抜歯を選択することもあるでしょう。歯科医師として出来ることは、患者さんへ治療に対する成功率を含めた情報を提供した上で、患者さんが満足できるベストの治療を提供していくということだけです。

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