大阪市都島区の山下歯科。再根管治療の基準について。

抜髄に至るまで

再根管治療の基準

再根管治療の適応となる基準について、説明致します。

再根管治療が出来るかどうかの基準を説明いたします。

根管治療を希望されて当院を初診で受診される患者さんのほとんどが、既に神経を取っている歯のやり直し(再根管治療:抜髄・感染根管治療のやり直し)を希望されます。しかし、その全てが再根管治療可能かというと、そうではありません。色々な条件が複合的に絡み合うため、一概には言えませんが、当院での再根管治療の基準を可能な範囲で説明したいと思います。

再根管治療が適応となる歯の状態

以下のような状態のときは、再根管治療が適応となる可能性があります。

過去に受けた根管治療が医学的に標準的な手順で行われていなかった場合

日本の健康保険制度では医療費抑制政策のため、世界的に標準とされている根管治療を行うことが非常に難しい状態です。不適切な根管治療を元々受けている場合、標準的な手順で治療を行うことで治癒される可能性があります。

根管の見落としなど、明らかに感染源の取り残しがありそうな場合

レントゲン画像などにより、根管の見落としなど、感染しているのに処置がされてなさそうな部位があるときは、再根管治療の適応となります。

むし歯の再発により、根管に感染が起こっている場合

以前の根管治療が成功していたとしても、むし歯の再発により根管内に感染が起こった場合は、再根管治療の適応となります。

再根管治療が適応とならない歯の状態

以下のような状態のときは、再根管治療が適応とならない可能性があります。

既に前医で医学的に標準的な手順で根管治療を受けている場合

ラバーダムを使用し、器具の滅菌をしっかりしている状態で治療を受けて、それでも病気が治癒してこない場合は、感染根管治療ではその病気が治らないということになります。当院では、問診時にラバーダムを使用して治療を受けたかなど治療の経過についても確認し、前医の治療内容を可能な範囲で推定し、患者さんにお伝えしております。

レントゲン画像のみでは、前医の治療内容が医学的に標準的かどうかを診断することは難しいです。根管充填のきれいさはレントゲンの画像でわかりますが、いくら根管充填がきれいでも、ラバーダムなしで汚染された器具を使用していたら治療としての意味はないし、根管充填が汚くても、感染対策を行った上で感染源がきっちり取れていればそれは適切な治療となるからです。

もし、ラバーダムを使用して行われた根管治療であれば、その歯科医師は誠実に適切な根管治療を行おうとしていたと推定して良いと思います。別に、マイクロスコープやCTの使用は必須条件ではありません。

逆に言えば、マイクロスコープやCTを使用したことだけでは、正しい手順での根管治療をしたことにはなりません。

歯の状態が悪すぎて、保存が難しい場合(要するに手遅れ)

歯の状態が悪く保存が難しい場合は、再根管治療の適応にはなりません。例えば、以下のような状態では治療対象にならないことがあります。

  • 病気が進行していて、歯を支える骨が大きく溶けてしまっている場合。
  • 歯が大きく割れてしまっている場合。
  • むし歯が深すぎる場合。
  • その他、歯の保存が難しくなる様々な要因がある場合。

当院で再根管治療を行った後、再治療を勧めることはありません。

当院では、CTによる状態の確認・ラバーダム防湿・マイクロスコープ使用・器具の新品使用滅菌の徹底など、医学的に出来ることを全て行って治療を行いますので、当院で再根管治療を行っても病気が治ってこないときは、感染根管治療を行っても治癒しない歯の状態(医学の限界)の可能性があります。そのため、当院で2回目の根管治療を勧めることはありませんし、過去にもそういった事例は一度もありません。1回装着したかぶせものや土台を破壊してやり直すことは行いません。

感染根管治療の成功率は沢山の研究がありますが、総じて精々70%の成功率の治療法です。厳しい言い方をすると、適切に治療しても3本に1本は治らないことになります。医学に絶対はありません。がんを絶対に治すと言えないのと同じで、最善を尽くしても治らないことは当然あります。患者さんの立場からすると、成功しないと歯科医師の評価は悪くなってしまうのが辛い所ではありますが、当院では初診の際にこのことについて、しっかり説明させていただいております。

もし、感染根管治療のみで治らない場合は、次の手である外科的歯内療法の適応となります。

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