大阪市の山下歯科。歯の破折について。

破折歯の再植法

破折歯の再植法

割れた歯を残す再植法について説明いたします。

破折歯の再植法

歯が根っこまで真っ二に割れてしまった際、歯の破片を一旦全てお口の中から取り出し、接着剤で引っ付けてからまたお口の中に戻す方法を再植法と言います。従来から、根管治療が上手くいかなかった場合に再植法が行われていましたが、その治療法を割れた歯に応用するということです。

価格:自由診療 1本 132,000円(税込)

破折歯の再植法の適用

破折歯の再植法の適応となる歯の状態は以下の通りです。

  • 破片を抜かずに接着する処置が難しい場合。
  • 破片が真っ二つに分離している場合。
  • 破片をきれいに抜いてこれる場合。
  • 歯と骨をつなぐ歯根膜の組織がそこそこ健康な状態で残っている場合。

具体的な処置方法

破折歯の再植法の処置の流れを説明いたします。

歯の破片を取り出す

麻酔をして、割れた歯の破片を丁寧に抜いてきて、お口から取り出します。原則として、破片が3つ以上になると、再植法は難しくなります。

歯の破片の汚染の除去

割れた所から細菌感染を起こしていますので、汚染個所をきれいにします。

歯の破片の接着

破片同士を生体親和性のよい材料で接着します。

歯の固定

接着した歯をお口の中に戻し、隣の歯などに固定します。

かぶせもののセット

数か月すれば、再植した歯が骨と引っ付いて落ち着いてきますので、順調に炎症が取れてきたら、かぶせものをセットしていきます。

破折歯の再植法の妥協点

接着した所は接着剤と骨の組織が隣接することになりますが、接着剤の上には骨との結合は回復することはありません。その部分が細菌感染を起こしやすい状態になりがちなので、歯が完全に元通りになるわけではありません

そもそも、歯科治療自体が失った歯を人工物で置き換える治療が主で、元通りに回復させる治療は基本的にありません。むし歯になったら歯を抜くか、神経を取ったら歯を抜くか、歯周病になったら歯を抜くか、歯が割れたら歯を抜くか、どこで妥協するかという患者さんの考え方次第です。

破折歯の接着治療自体が比較的新しい治療法ですが、少しずつ広まってきており、個人的には、歯を抜いてしまうインプラント治療よりはリスクが低い治療だと考えております。

当院としては、治療への負担(処置の負担・時間的負担・金銭的負担など)と治療の成功率と予後について患者さんに説明し、納得していただいた上で処置を行うという方針です。