大阪市の山下歯科。歯の破折について。

入れ歯とインプラントの比較

歯ぎしり

歯ぎしりについて説明します。

歯ぎしりとは?

歯ぎしりとは、例えば寝ている間に上下の歯をギリギリすり合わせたりするくせのことです。食いしばったりすることなどもありますが、このページではまとめて歯ぎしりとして説明していきます。

歯ぎしりの原因

歯ぎしりがなぜ発生するかということは、まだ完全に解明されていないことです。ある説によれば、日中のストレス(精神的なものを含む)を寝ているときに無意識に歯ぎしりすることで解消しているのではないかと言われています。ストレスを解消せずにおくと、それが胃腸などの臓器へダメージが行ってしまいますので、歯ぎしりによるストレス軽減で、臓器へのダメージを減らしているという関連も研究により言われ始めています。

歯ぎしりの原因はストレス

歯ぎしりをしてしまう原因は日中のストレスにあるということになりますので、歯ぎしりを減らすためには、日中のストレスを減らした方がよいということになります。ストレス源を減らしたり、ストレス解消になるようなことを始めることは、とても良いことだと思います。しかし、そう簡単には行かないことは皆さんお分かりだと思います。

歯ぎしりを無理やり抑えるのは良くありません。

歯ぎしりは、言い方を変えれば胃腸などの臓器を守るために大事なことというとらえ方もできますので、無理やりなくしてしまうということは良くないでしょう。そもそも、積極的に歯ぎしりを抑えたり、なくす方法は今の医学ではわかっていませんので、残念ながら対処不可能とも言えます。

歯ぎしりの害

歯ぎしりをすると、歯やあごに強い力がかかります。そのため、以下のような病気になったり、症状が出ることがあります。ただし、歯ぎしりをなくすことは難しいため、歯ぎしりによる病気になりにくいようにお口の中の状態を整えることが大事です。

  • 知覚過敏症(冷たいものや温かいものがしみる)
  • 歯髄炎
  • 歯が割れる。(歯冠破折・歯根破折)
  • 顎関節症
  • 歯根膜炎
  • 歯周病の進行を早める。
  • 顔面や頭の違和感や痛み。

歯ぎしりへの対策

歯ぎしりそのものへの対処は難しいですが、害が出にくくするためにできる対処法を順番にあげて説明していきます。

歯を割れにくくする。(ファイバーポスト・歯冠長延長術)

歯ぎしりでの大きな害として、力がかかった歯が割れてしまうということがあります。特に、むし歯が進んでいる歯は残っている歯が少なくなってしまい強度が下がっているため、力がかかっても割れにくいような方法で歯を修復する方が良いです。具体的には、従来よりの硬い金属製の土台(メタルコア)ではなく、歯と硬さの近いファイバーポストを使用したり、かぶせものをする際の帯冠効果を確保するために、歯冠長延長術を行ったりすることで改善することができます。

歯並びを良くする。

歯並びによって、気持ちよく歯ぎしりできるかどうかが変わる可能性があると言われています。歯ぎしりを気持ちよくできないと、なかなかストレス解消されず、歯ぎしりが増えてしまうということです。また、歯並びによっては、歯ぎしりをしたときに極端に1か所に力が集中してしまったりします。可能な範囲で、歯並びを改善して、歯ぎしりを減らしたり、力のかかり方を分散させたりした方がよいですが、今の医学ではこの問題を完全に解決するのは非常に難しいです。

TCHを減らす。

夜中に無意識に行う歯ぎしりを直接的に減らすことが難しいですが、日中起きているときに無意識に行っているTCH(歯の接触癖)は減らすことが可能です。もし、TCHを行っていれば、そちらを減らすことで歯の負担を減らすことが可能です。

ナイトガードの効果は不明。

歯ぎしり治療として、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを製作される場合があります。歯と歯を接触させないようにするため、一見、効果があるように思えますが、実際にその効果は疑問です。さらに以下のような重大なトラブルが起こる可能性があります。

  • 直接的に歯ぎしりを減らす効果はない
  • ナイトガードをつけたまま歯ぎしりはでき、その負担は顎の関節や歯を支える組織に対して全てかかる
  • いつもと違うかみ合わせになることでストレスとなり、歯ぎしりが増える可能性がある。
  • 異物感がストレスとなり、歯ぎしりが増える可能性がある。
  • 不適切な調整が行われている場合、矯正装置(アクチバトール)のような作用を及ぼし、歯が動いて歯並びがおかしくなる可能性がある。

以上のように、リスクが大きいため、ナイトガードの使用を積極的にはお勧めしておりません。

万が一歯が割れてしまった場合でも、歯を残すことが出来る可能性があります。

歯が割れてしまったとしても、絶対歯を抜かなければならないわけではありません。割れ方によっては、歯を残すことが出来る可能性がありますので、一度ご相談ください。