大阪市の山下歯科。健康保険診療と自由診療について。

入れ歯とインプラントの比較

健康保険診療と自由診療

健康保険診療と自由診療の比較を行います。

健康保険診療と自由診療の細かい比較

j健康保険診療と自由診療について、少し深堀りして考えてみましょう。健康保険診療と自由診療という分け方と、さらに、医学的に適切な診療かどうかという観点で4つのパターンで分けて考えていきます。

医学的に適切かどうかという事に関しては、EBM(エビデンスに基づいた医療)という観点と、患者さんの希望をしっかり取り入れる(インフォームドコンセント)という観点により、緩やかに考えてもらえればいいと思います。

健康保険診療で医学的に不適切な診療

現状の日本での標準的な診療方針は、ほとんどこのパターンに分類されます。例えば、ラバーダムをしない根管治療が標準的(日本では95%がラバーダムなしの根管治療)ですが、ラバーダムは医学的には絶対に行った方がよい処置です。ラバーダムをしない根管治療では、成功率が大幅に下がってしまうことが明らかであり、もはや医学的に適切なEBMに基づいた治療と比較すると名前は似ているが別の治療法といって差し支えない状況です。銀歯・CADCAM冠・チタン冠やピーク冠等、コストダウンを目的に医学的に不適切なものばかり適用になっていることからも健康保険診療が医学的に正当な歯科医療と別物なのは明らかです。

健康保険診療では、行える処置に対する診療報酬が固定(歯科医師に価格決定権はない)されており、悪い言い方をすれば、それっぽい処置をしていれば、診療報酬は定額でもらえてしまいます。治療費が決まっている以上、それを基準に利益を増やす方向へ治療内容を変更していくというお金基準の診療方針になってしまいます。当然、良い治療をすればするほど、コストがかさみ金銭的に損するわけですから、制度上、良い治療をする方向には絶対に行きません。健康保険診療は、安価で治療して貰える良い制度と誤解されていますが、医学を無視したお金中心の制度なのです。よく言えば、限られた条件で頑張って治療しているとも考えられますが、手抜き診療を行って、患者さんの歯を粗末に扱っている(治療の成功率を下げ、残せる歯を抜く)事実は変わらないし、そういう治療を日本に蔓延させている原因ともなっています。

金のために魂を売って、手抜き診療を行う。責任は全部国が悪い。」という開き直りの姿勢がありますが、結局は、歯科医師に自由診療を行うという選択肢や職業選択の自由がある以上、「歯科医師は自らの意志で、金のために手抜き診療を行っている。」という結論にしかなりません。本当に医学的な適切な治療を国民に提供したいという意志があれば、歯科医師会総出で健康保険診療をボイコット(ストライキ)すればいいと思います。

健康保険診療で医学的に不適切な処置をして、歯科医院の経営を成り立たせるということは、個人的には非常に非人道的だと思います。

自由診療で医学的に適切な診療

自由診療では価格決定権があり、提供する診療内容に合わせて適切な治療費が資本主義の需要と供給に合わせて決められる極めて合理的な状況です。日本の場合、健康保険診療があるせいで、どうしても値下げする方向になってしまうのが残念ですが。

自由診療にも相場があります。高額であると感じられる方が多いと思いますが、それは健康保険診療での治療費と比較するからそう感じるのであって、もし健康保険診療がなければ、自由診療の価格は単に適正価格というだけです。なぜなら、あまりにぼったくり過ぎて、治療費と治療内容が見合わないと患者さんが思うなら、それは資本主義上、事業として成り立たないからです。実際、当院を含め、自由診療メインの歯科医院の治療費は、世界的にみても標準的かやや安いくらいの治療費に収まっていると思います。当院は特に適正価格(どちらかといえば価格を控えめにしているくらい)で治療を提供している自信があるため、自由診療が高額であると言われると残念に思ってしまいます。

但し、歯科治療に関しては医学的に適切な診療かどうか患者さんの評価が難しい面もあります。消費者である患者さんが勉強して、より良い診療を受けられるようにすることが正道だと思います。

また、治療費が高額となると、ご自身での歯のメンテナンスに対する熱意が増して、むし歯や歯周病自体になりにくくなったり、医療保険がどんどん充実してくるはずなので、みんなが歯の治療を受けられないとか、そういう事態にはならないと思います。世界的にもそうなっていないことも明らかです。

健康保険診療で医学的に適切な診療

まず、本当の意味で医学的に適切な診療を健康保険診療で行うことは、診療報酬が安すぎるため100%実行不可能なので、考える必要はありません。自分の給料どころか、スタッフの給料・材料費すら払えません。

ここで問題になるのは、健康保険診療でも良い治療(日本の標準的な診療レベルよりは)をするということです。安い給料を受け入れれば、歯科医師は安価に良い治療を提供でき、患者さんに感謝され、心も痛まず良いことです。

但し、違った見方をすれば、治療の安売りであり、近隣の歯科医院からすれば大迷惑なわけです。また、工夫をすれば安い報酬でもよい治療を実行出来るとなれば、治療費の相場も下がってしまい、全体的にはさらなる診療報酬低下による手抜き診療の増加を引き起こしてしまいます。広い視野を持てば、健康保険診療で良い治療を行うことは、単に歯科医師の自己満足でしかなく、社会的には害悪でしかありません。

自由診療で医学的に不適切な診療

自由診療で治療費が高額なのに、医学的に不適切な治療が行われているケースです。これは、健康保険診療がメインの歯科医師が治療のクオリティは低いままで、材料だけ自由診療用のものに変えた場合や、例えば自由診療の根管治療でなぜかラバーダムしないぼったくり歯科治療なんかが挙げられます。治療費が高額なのに、内容が伴わず最悪です。単純にぼったくりということになってしまいます。

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